We’llのクラフツマンシップについて

今やマスクは日常生活に欠かせないアイテムになったからこそ、しっかりとした品質のものを使いたいですよね。

We’llでは、縫製から検品に至るまで、こだわり抜いた製品を皆さんにお届けしています。

この記事では、We’llのものづくりの姿勢(クラフツマンシップ)や、一枚のマスクが完成するまでの工程についてご紹介していきます。

 

Index

●今更聞けない「クラフツマンシップ」の意味

●ブランドの歴史について

●一枚のマスクができるまで

●製造に携わる人たちの声

●変わる技術と貫くこだわり


今更聞けない「クラフツマンシップ」の意味


昨今では耳にする機会が多くなった「クラフツマンシップ」という言葉ですが、どのような意味で使われているのでしょうか。

定義としては職人の技能、技巧」「職人芸」などを指し、最近ではものづくりの姿勢などの意味でも使用されています。

それでは、We’llのクラフツマンシップへの取り組みををご紹介します。



ブランドの歴史について

We’llの親会社であるパレ・フタバは、創業70年以上にもなる歴史のある会社です。

当時からアパレル業に携わり、時代の変遷に合わせて扱うアイテムや拠点は変わりながらも、アパレルブランドのリーディングカンパニーとして事業を続けてきました。


1952(昭和27年)のパレ・フタバの前身である、「双葉商事」設立当時の社屋

その後2019年に、これまでの工房(パレ・フタバ福山事業所)を「TAKUMIBA」と改名し、ボトム中心の完全一貫型工房として新たにリスタート。

そして、2020年11月にライフスタイルブランドであるWe’llが設立されました。


1981(昭和56)年、レジャー関連事業運営会社としてのパレ・フタバ株式会社設立当時の写真

We’llのブランド設立の経緯は、コロナウイルス蔓延防止におけるマスク不足が一つのきっかけです。

この課題に対し、TAKUMIBAの技術を駆使して対応したところ支持が集まり、一つのブランドとして確立していく方向性が決まりました。



一枚のマスクができるまで


今では毎日数えきれないほどのマスクを製造・発送しているWe’llのマスクですが、その中には様々な工程が隠されています。

一枚のマスクがお手元に届くまでには、一体どのような開発の経緯があるのでしょうか。



We’llのマスクができるまで【企画部門】


部門としては企画部門、生産部門の2つ、その中から7つの工程に分けて製造過程をご紹介していきます。


①素材企画

We’llマスクが実現した抜群の肌ざわりの秘密は、旭化成との共同開発によって誕生したオリジナルの生地にあります。

伸縮性があって滑らかな素材を実現するために、主に使用するのは、ポリエステルとポリウレタン。

なめらかで張りがあり、アレルギーを起こしにくい素材を厳選しました。


加えて、「ダンボール」というクッション性の高い編み方を採用しています。

この編み方は二層を編み合わせて作られている生地で、肌に当たる面は刺激が少なく繊維が細い素材を使用。

表を向く面は、シワのつきにくいハリのある素材を採用するなど、人への優しさを考え抜かれた生地を誕生させました。

 

②パターン


素材が決まったら、次はどのような形にするのかのパターンを考えていきます。

こちらの写真はWe’llマスクパターンの変遷です。
一番左側は初期に考案したパターンで、一番右側が現在使用しているパターンです。

「完全なものは存在せず、常により良い製品を研究する」という姿勢のもと、全製品の品質向上に向けて、これからも新しい技術の追求を続けます。

そして、パターンを決める際に使用するのが3Dスキャンです。

モデルの顔をスキャンして、鼻から顎、耳から鼻までの距離と顔の凹凸を測定し、どの部分を整えればより快適になるのかを判断します。

このような工程を組み合わせるなど、パターンのセクションではよりフィット性の高いマスクの実現を目指します。

③仕様の検討


マスクの形、生地が決まったら、他にどのような部品をつけるのか考えるのが、「仕様」という段階です。

We’llのダブルレイヤーマスクを例に挙げると、
・ワイヤーを付けるのか、付けないのか
・肌に違和感なく裏地を付けるにはどうすればいいのか
・供給スピードを保ちながら品質を落とさずに製造をする最適な方法

などを検討しながら構造を決定していきます。

主に、ここまでの流れが企画部門のセクションとなります。




We’llのマスクができるまで【生産部門】


次に、生産のセクションです。
ここから実際にマスクを製造していく工程に移り、検品と発送の最終段階に進んでいきます。

 

④裁断

形、生地、仕様が決まった段階で裁断の工程に入ります。

手作業にこだわるWe'llですが、裁断では「CAM」という精度の高い自動裁断機を使用しています。

自動裁断機の方がズレが少なく均一な裁断が可能になるため、We’llではあえて人による裁断を行いません。

これは「顔にフィットする形」を実現化することを第一に考えるWe'llのこだわりでもあります。

 

 

⑤縫製

裁断を終えたパーツは縫製職人の手に渡り、ここから全て手作業で縫製がスタートします。

繊細な技術が必要になるマスクのカーブ部分も、裁縫のプロたちによって一枚一枚丁寧に縫製されていきます。

縫製工員と工場長で品質を確認し、次のステップへ進みます。

⑥検品

お客様のもとに届ける前に、きちんと縫製されているか、汚れがないか、縫い代が残っていないか、形が整っているかなどの確認を行うのが「検品」という段階です。

We’llの商品として発売できるのか、厳しい基準に基づいて一枚一枚検品を行います。

 

 

⑦梱包

自社にて、出来上がったマスクをパッケージで包みます。

裁断から約1ヶ月という時間をかけて完成された製品は、このような過程を経てお客様のもとへ発送されていきます。

 

製造に携わる人たちの声


このように、一枚のマスクが完成するまでには多くの工程と人の力が必要です。
そこで今回は、製造に携わる方たちに、マスクが完成するまでお話を伺ってきました。

インタビューを受けてくれたのは、縫製担当の尾熊さん、検品担当の重山さん、そして工場長の柿原さんの3名。現場で働く方のリアルな気持ちをお届けします。

We’ll製品に欠かせない縫製技術とは

1.縫製担当 尾熊涼子さん

 ーお名前とお仕事について教えてください
尾熊涼子です。縫製部門の担当です。

 ーこのお仕事はどれくらい続けられているのでしょうか
ここに入ったのは、今年で3年目かな。ミシンを踏むのは、かれこれ50年くらい続けていますけどね。

 ー50年も!この道ひとすじなんですね。プロの方でもWe'llマスクを縫うときに大変な部分はありますか?
マスクのカーブ(中心部分)ですかね。
ワイヤーで長さが指定されているので、ある程度長さに合わせて縫う必要があるんです。
そこが伸びてしまわないよう、縫う時には特に気を遣っています。

それと、ステッチ部分も難しいですね。
いったん中を地縫いした後にステッチをするんですが、その時に中が折れ込んだ形にならないように縫うことを意識しています。

ステッチがまっすぐ綺麗に揃ってないと、パッと見た時にフニャッとなったり、太くなったり見栄えが悪くなることもあります。

 ー縫い方で見た目が変わってしまうのでしょうか
そうですね。カーブ部分が凹んだりとかしちゃうんで、適当にはできないです。
伸びてもいけないし、短くなっても、シワができたりしてもいけない。ここが一番こだわって作っている部分だと思います。

 ーなるほど。普段私たちが気にしていない部分にも苦労があるんですね
本当に最初は、四苦八苦しましたよ。
鼻周りのステッチにしろ、3ミリがいいのか、2ミリがいいのか色々悩んだり。
パタンナーの人とかいろんな人の意見を聞いて、それでやっと今の縫製にたどり着きました。

 

高品質実現のために縫い直しをすることも

 ー例えばお客様のことを考えているなど、どのような気持ちで作っているのでしょうか?
そうですね、お客様のことも考えているのはもちろんあります。
お客様がこのマスク着けて、果たしてどう思うのか。
「やっぱりこれじゃいけないな」と思ったら、縫い直したりしますね。
だからこそ、綺麗にステッチ入っているかどうか、というのは心がけて縫っていますね。

 ー使ってくださっている方に伝えたいことはありますか?
長く使ってもらえると嬉しいですね。手洗いでね、優しく洗ってほしいなと思います。
私たちはみんな、心身込めて作っています。こんな時期だから、果たしてここのマスクが売れているやろかと心配もしています。(笑)

でも作っている私たちも、いいマスクだと自信を持って言えます。息をするのが楽だし、不織布を入れることもできる。こういう良い製品を、多くの方に長く使ってもらえたら嬉しいですね。



完成品をチェックする検品業務の内容

2.検品担当 重山芽衣さん

 ーお名前とお仕事について教えてください
重山芽衣です。検品部門を担当しています。

 ー検品ではどのようなお仕事をされているのでしょうか
仕事内容は大まかに4つで、
①ちゃんと縫製されているかの確認
②お客さんの顔や耳などに触れる部分が不快にならないかの確認をして、切るなどの調整
③汚れがないかの確認
④しっかり型通りに作られているかなどの大きさの確認
などがあります。

 ー沢山の確認事項があるんですね。その中で大変な部分はどこでしょうか
やっぱり、ずっと同じことするっていうのは大変ですね。
あと、縫製を分からない人も中にはいらっしゃるので、どういう仕様で縫われているかってのもしっかり共有しながら進めていくことも気を付けています。

でも、一番は「許容」についてですね。不良はどこまで不良として判断するのかというのもひとりひとり違うので、そこは苦労しました。

その時に、いち消費者として考えてもらうことを大事にしています。 
不良品の分別や許容の判断をする際に、1つの商品として「自分が手に取った時にどう感じるか」ということを、検品メンバーに意見としてもらうこともあります。



体験して感じた「誰にでもできることではない」という気付き

 ー人の目で判断するって、すごく難しい工程なんですね
そうですね。あとはこの工程がお客様にどのような影響を与えるのかを意識することも大事だと思いました。
あるとき、自分が日々している検品がどう役に立ってるのかっていうのをふと考えて。

肌に当たったら赤くなったりとか、痛くなったという意見があったとして、そういうことも自分の仕事に直結してるというか、検品してそれが改善できる可能性があるのは、すごく不思議な気持ちでもありました。

検品って誰にでもできることじゃないなっていうのは最初から思っていまして。
傍から見れば切っているだけとか、見てるだけかもしれないですけど、体験してみてその大変さがわかりました。

ずっと同じ姿勢で作業するのは労働肉体的にも大変ですし、許容も考えなきゃいけないし、時間との戦いもあって、すごく細かい作業だなと感じています

 

お客様の意見が新しい発見に

 ー大変そうですね。自社に企画から工房まであることについてはいかがですか?
自社で縫製、検品、発送を一貫して行って、お客様の声も直接こちらに届くはすごく大事な環境だなと思っています。

電話やハガキなどでご意見をいただくんですけど、お客様から「ここが良かった」「こういうところが着けやすい」という声をいただいたり、逆に「こういうところも直して欲しい」という本音の反響があるのは勉強になります。

やっぱり自分たちだけでは気付いてないことも中にはあるんです。
ちゃんとしてるつもりでも見逃しがあったり、改善点があるんだっていう学びに気付けるというのは大事だと思います。

 ーそれでは最後に、使ってくださっている方に伝えたいことはありますか?
そうですね。愛用してくださっている方には感謝の気持ちでいっぱいですし、初めて着けてくださるという方に生地感や着け心地を感じてもらえたら嬉しいです。

私たちの作業内容はなかなか表に出ることがないので、この記事を通じて「マスク一枚ができるまでこうやって作ってるんだよ」っていうのを少しでも知っていただけたらなと思います。



人とモノ、納期、品質、全ての管理を行う工場長の想い

3.工場長 柿原泰宏さん

 ー工場長として、仕事の中で大変なことはなんでしょうか?
そうですね。社内にはTAKUMIBAのボトムの他、We’llのマスクでもシングルとダブルの2種類あるんですが、ダブルマスクになると工程数もシングルタイプの倍以上になるんです。

要するに手がかかるし、それだけの対価をお客様から頂くので、それ以上の品質のものを目指して、かつ納期通りに仕上げるというのは苦労している点かもしれないです。

 ー多くの苦労がありそうですね。それでは苦労の他に、大事にしていることはなんでしょうか?
品質ですかね。
複数の人が関わって、同じものを、同じ製品レベルで作り続けるということが、やっぱり管理する上で1番難しいところですね。

 

器具の調整も工場長が自ら担当

 ーミシンの調整もお仕事の一つですか?
そうですね。ミシンの調整に関しては僕が担当しています。

 ーTAKUMIBAの製品から、We’llの製品へ移る際に調整するのでしょうか?
全部です。器具を変えたりとか、製品によったりとか、縫う工程によって器具が変わるので、その調整は全部僕が一括してます。

 ー業務内容の幅が広いんですね。他にはどういうことをなさってるのでしょうか?
工場のことをトータルで管理しているので、要は人とモノの管理、納期管理、品質管理の大きく言うとその3つかな?

 ー品質管理ということは、柿原さんも検品を行うのでしょうか?
品質管理とは、工程途中から製品完成までの品質にバラつきが出ないように、機械調子を含めて管理をしているイメージです。
要は、クオリティを落とさないように細心の管理を行うんです。
品質管理は、検品とは別ですね。

 ーダブルチェックをされてるんですね
そうそう、ダブルチェックですね。
やっぱりたくさん作っていたら、「1個ぐらいいいじゃん」という感覚になっちゃうことが人間にはあるので、それを無くしたいという意識で品質管理に臨んでいます。



工場長が社員に伝えたいWe’llマインドとは

 ーそこがこだわりに繋がってくるのでしょうか
こだわりはもちろんあります。極端に言ったら、雑に縫っちゃえば早くできる。だけど、そういうことはしないです。やっぱり大事に作っているので。

社内でよく言うのが、「量産品を作るときも、お客さんにとってはオンリーワン」だから、それぞれ一個づつ大事に作っていきましょうねというのが、伝えていきたい想いです。

工場の人間として僕らは作り手側になるので、作り手として恥ずかしくないものを出しているというのはこだわりです。そしてこれからも、ブレないこだわりと貫いて、お客様に良い製品を届けていきたいですね。

 ーお話を伺って、皆さんの製品に対する想いが伝わってきました。
尾熊さん、重山さん、そして柿原さん、貴重なお話をありがとうございました!

 

変わる技術と貫くこだわり



一枚のマスクが完成するまでには、一言で語れないほど多くの工程が存在しています。

We’llではより良い品質の実現に向けて、今後も新しい技術を追求する姿勢を崩しません。

一枚のマスクから生まれる「ウェルネスな社会の実現」を目指して。
これからも皆様に、安心と心地よいマスク生活をお届けします。


We’ll Comfit MASK詳細ページはこちらから
https://we-ll-mask.com/collections/mask